猫の脱走対策① -なぜ脱走防止策が必要か?-

昔は、猫なんて外も家も出入り自由だったな~なんて思われる方も多いと思います。

でも現在では「猫は室内で飼いましょう」(環境省)と言われます。

なぜでしょうか?

  飼い猫は【外で生きていけないから】です。


では、飼い猫が脱走すると、どんな危険があるのでしょうか?

上記リンク先では、

 ①交通事故

 ②感染症の罹患

 ③ご近所トラブル

 ④虐待被害

が挙げられています。


上記以外でも言えることは、一度人間に飼われた猫が、毎日、自力で食べ物を確保し、厳しい暑さ・寒さの中で生き延びていくことは、非常に困難なことではないでしょうか。



では、上記①~④を詳しく見ていきましょう。


①交通事故

↑こちらはイエローハットさん作成の動画で、猫はその習性により交通事故に遭いやすい、ということを解説されています。

多くの車が行きかう外の世界で、脱走した(多くはパニック状態の)猫が事故に遭わずにいられることは運頼みでしかないようです。


②感染症の罹患

脱走した猫は、しばらくの間は家の近くに隠れていますが、その場所が落ち着かなかったり、お腹がすいてきたりすると、より安全な場所や食べ物を求めて移動すると言われています。

移動中、うっかり地元野良猫の縄張りに侵入してしまうと、縄張りを守ろうとする猫から攻撃されケガを負ったり、噛まれて感染症に罹患することがあります。

(噛まれた傷が致命傷となり、命を落とすこともあります)


③ご近所トラブル

脱走した猫が、近隣住民のお庭をトイレとして使ってしまうこともあるでしょう。

動物は嫌いではないけど、自分の敷地内で猫が排泄していくことは我慢できない!という方は多くいらっしゃいます。

飼い主が分かっていれば、飼い主に対して注意できますが、飼い主不明であったり、飼い主に直接言い出せない人は「猫を排除する」という方向に向かい、その一部は次の④につながっていきます。


④虐待

私が住んでいるさいたま市でも、多くの動物虐待事件があります。

有名なのは、元税理士の事件でしょうか。

悲しいことですが、事件化していなくても日々いろんな情報が飛び込んできます。

そして、人に対しては優しい、いい人そうに見えても、動物には残虐な人、犬猫を傷つけてもなにも感じない人はたくさんいます。


では、動物を虐待をする人は、どういう理由から虐待をするのでしょうか。


<動物虐待の動機分類>  (World Animal Protectionの調査報告による)

 ①動物の支配:過剰な懲罰を加える

 ②動物への報復:些細なことや的外れな理由を虐待の理由とする

 ③異種の生き物への差別意識:極端な嫌悪感を大義名分とする

 ④怒りやストレスのはけ口:ストレスの発散や怒りの表現として行う

 ⑤攻撃性や凶暴性の誇示:攻撃性や凶暴性を高める練習台にするケースも

 ⑥他者の反応を楽しむ:他人が驚いたり嫌悪するのを愉快に思う

 ⑦復讐の方法:復讐したい人のペットなどを使って嫌がらせをする

 ⑧身代わり:怒りや復讐の対象者の代わりに動物で代替する

 ⑨サディズム:単に動物虐待の欲求に従い、快感を得る


人は、様々な動機で動物を虐待する、ということが言えるのではないでしょうか。


また、飼い猫は人に馴れている子が多いと思いますが、脱走となると人に馴れていることが仇(あだ)となって命取りとなってしまうことがあります。

人に馴れている猫は、虐待する人にも素直についていってしまうからです。



家の外には、猫にとって危険なものがたくさんある、ということ、

外にいる猫は、常に命の危険に晒されている、ということ、

そして、猫を守ることができるのは人間しかいない、ということ。

そのために人間が気を配り、工夫するしかないのです。





「野良猫は外でたくましく生きてる??」

野良猫の寿命は3~4年と言われています。(室内飼いの猫では、20年以上生きることは珍しくありません)

生まれて間もない仔猫がカラスなどに襲われたり、栄養不良などで亡くなることも考えると、平均寿命はもっと短いかもしれません。


外で暮らす猫が体調不良になったときは、人目のつかない場所へ移動し、そこでじっと動かずに回復を待ちます。

体調が回復すれば元の縄張りに戻ることができますが、回復できなかった猫は、そのままそこで亡くなってしまいます。

私たちは普段、元気な野良猫しか目にすることがないため、その他大勢の野良猫たちに気づけないのかもしれません。

(さいたま市では、毎年3,000頭前後の野良猫とみられる猫の遺体を回収をしているそうです)

あずかり猫の会

ねこと暮らせば、 ねこが救える。 毎日たのしい。